Tokyo To NewYork 2017 3/18


声楽アンサンブルSESTETTO VOCALE(セステット・ヴォカーレ)はこの夏、イタリア・ルネサンスの町、マントヴァの聖バルバラ教会のために書かれ た音楽、そして書かれなかった即興音楽を探求する旅に出ます。旅はイタリアのウルビーノというルネサンスの町からはじまります。マントヴァで特 別な教育を受けたウルビーノ公の宮廷では、ルネサンス文化が花開きました。私たちはここに十日余り滞在し、ルネサンス期に実践されていたポリフォ ニーの即興演奏に没頭します。その後、マントヴァの聖バルバラ教会で一週間にわたり、16世紀後半の聖バルバラ教会に鳴り響いていた宗教音楽と ポリフォニー即興音楽に取り組みます。

聖バルバラ教会は1565年にマントヴァ公グリエルモ・ゴンザーガの指導のもと建築家ジョヴァン・バッティスタ・ベルターニによって建設されました。 「優れた」音響空間を実現しようとするゴンザーガ公の意思が反映された希有な建築物で、「偶然、音響の良い教会」ということではなく、当時のポリフォ ニー音楽を理想的な形で響かせようとした「特別な音響空間」です。

いったいこの空間で私たちはどんな歌を求められるのか? どんな声を求められるのか?どんな響きが実現するのか?当時、あちこちで描かれた歌手 たちの顔を見ると、「天使の歌声」は聴こえてきません。教会では大きな声が求められていたという記述もあります。ルネサンス人にとって天界のアル モニアは理想・イデアであるとともにリアルな響きでもありました。その答えは聖バルバラ教会で探すしかありません。この教会に残る当時のオルガン は分割鍵盤を備え、純正な響きで歌われていたことを今に伝えています。

演奏史研究の成果をもとに、現在のヨーロッパでは、ポリフォニー即興演奏の名手たちが、楽譜に書かれなかったもう一つのヨーロッパ音楽を甦らせ ています。私たちにその秘伝を授けてくれるのはイタリアのディエゴ・フラテッリ氏です。ソルミゼーションやオリジナル楽譜による歌唱の指導者とし て名高いフラテッリ氏とともにルネサンス音楽を追求し、カラヴァッジョという町と聖バルバラ教会でコンサートを行います。 旅の終着駅はしかし、東京の求道会館です。およそ100年前に武田五一の設計で作られた仏教の教会堂は単に美しいだけではない、単に響くだけで はない、独特の音響空間でもあります。もちろん、そこでは聖バルバラ教会の響きを再現することは不可能です。しかし、その音楽とともに空間に向 かい合いことで初めて見いだせる歌と声と響きがあるはずです。その時は求道会館にしかない音楽が生まれるはずです。SESTETTO VOCALEの挑 戦をどうぞお楽しみに!      

◎日時:2017年09月10日(日)
 午後3時開演(午後2時30分開場)
 2時40分より都市楽師プロジェクト・鷲野宏による建築案内

◎演奏:SESTETTO VOCALE
 森有美子(ソプラノ)
 かのうよしこ(アルト)
 福島康晴(テノール)
 中村康紀(テノール)
 辻康介(バリトン)
 阿部大輔(バス・尺八)

◎主な演奏予定曲目:
 モンテヴェルディ作曲ミサ「イン・イッロ・テンポレ」より
  Missa ''in illo tempore''(Claudio Monteverdi, 1567-1643)
 アゴスティーニ作曲「罪人の涙」より
  "Le lagrime del peccatore"(Ludovico Agostini, 1534-1590)
 ガストルディ作曲 五声のヴェスプロより
  Vespertina omnium solemnitatum Psalmodia a 5 voci (Giovanni Giacomo Gastoldi, 1555-1609)
  他、ヴェルト (Giaches de Wert. 1535-1596)のマドリガー レや
  ジェズアルド(Carlo Gesualdo, 1566-1613)の作品

◎会場:求道会館
南北線「東大前」駅から徒歩5分
丸の内線「j本郷三丁目」駅から徒歩15分

◎会費:前売3,000円 前売ペア5,000円 当日3,500円 学生2,500円(当日学生証提示) 

◎全席自由

◎制作協力 岩神六平事務所 Ogmios 都市楽師プロジェクト
◎主催・企画制作 Da Nemo
◎フライヤーデザイン 河合千明




<求道会館へのアクセス>
南北線「東大前」駅から徒歩5分。丸の内線「j本郷三丁目」駅から徒歩15分。



SESTETTO VOCALE
SESTETTO VOCALE(セステット・ヴォカーレ)は辻康介の主宰により2015年より活動をはじめた。ルネサンス期に実践されていた階名唱(ソルミゼーション)や当時の旋律論を演奏に応用し、オリジナル楽譜を使用してイタリア・ルネサンスを代表するポリフォニー音楽「マドリガーレ」を専門に歌っている。これまで「ルネサンスの居酒屋で」や「テーブル囲んでマドリガーレ」というコンサートシリーズでマドリガーレの本来の姿を現代に甦らせている。今回は宗教音楽のレパートリーにはじめて本格的に取り組む。

森有美子(ソプラノ)
東京音楽大学声楽演奏家コース卒業。2002-03年度ロータリー財団国際親善奨学生としてイタリア・ローマへ留学。東京藝術大学大学院古楽科バロック声楽専攻修士課程修了。2010年に金子みすずの詩集による歌曲集「わらひ」(久保田翠作曲)CDをリリース。コロスタシアアネックスメンバー

かのうよしこ(アルト)
青山学院大学史学科日本史専攻、東京藝術大学声楽科、京都造形芸術大学ランドスケープデザインコースを卒業。京都造形芸術大学大学院芸術環境専攻(日本庭園分野)修士課程修了。通信業界、音楽業界での勤務を経て、現在フリーのヴォーカリスト、ライター。

中村康紀(テノール)
埼玉大学教育学部小学校教員養成課程音楽専修卒業。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。Concerto Sotto l'Albero(コンチェルト・ソット・ラルベロ)主宰、モンテヴェルディ倶楽部メンバー。イタリア詩の翻訳をはじめオペラのリブレットの全訳、字幕作成等も行う。

福島康晴(テノール)
東京音楽大学大学院作曲科、ミラノ市立音楽院古楽科ルネッサンス・ポリフォニー専攻修了、D.フラテッリ氏の下で学ぶ。声楽をB.M.カゾーニ、V.マンノの各氏に師事。2009年にミケランジェロ・グランチーニ (1605-60)の論文とコンサートにより、最高点・褒賞付きで卒業する。テノール歌手として活動する他、自らエクス・ノーヴォ室内合唱団を組織し、イタリア・バロック音楽の新しいレパートリーを多く紹介してる。東京電機大学非常勤講師。

辻康介(バリトン)
国立音楽大学楽理科卒。イタリアに留学。声楽をC.カヴィーナらに、演奏史をD.フラテッリらに学ぶ。ネーモー・コンチェルタートnemo concertato、南蛮ムジカなどのグループを主宰し歌う。ネーモー・コンチェルタートのCD+BOOK「おとなのための俊太郎」リリース。聖グレゴリオの家やフォンス・フローリス古楽院をはじめ全国各地でソルミゼーション講座を開講、日本音楽学会や日本コダーイ協会にも招かれる。

阿部大輔(バス・尺八)
尺八を眞玉和司に、声楽を成田博之に師事。尺八では古典本曲や現代音楽を、声楽ではドイツ、イタリアのバロック期の宗教音楽を主に演奏している。むつのを、オーラJ、Vocal Consort Tokyo、EX NOVO等で活動

鷲野宏(アートディレクター)
芝浦工業大学卒(曽根幸一・環境設計研究室)。音や音楽を刺激として建築や都市空間の「その場らしさ」を共有していくプログラムを発信する「都市楽師プロジェクト」を主宰。日本サウンドスケープ協会理事。


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